2月10日、英国で毎年開催されているUnderwater Photographer of the Year(UPY)2022のWide Angle部門で入賞(Highly Commended)しました。
2022 Winners – Underwater Photographer of the Year
Top We use 3rd party cookies to help us monitor site performance & enable online payments. By using this site you accept our privacy policy Close banner Underwater Photographer of the Year 2022 results gallery Welcome to the Underwater Photographer of the Year winner’s collection 2022.
UPYとは
UPYは英国で2015年から開始されたコンペティションです。発足の歴史をたどると過去の国際水中写真コンペティションの復活を企図したものであることがわかります。
参加ルールとカテゴリー
このコンペのルールについて、主要な部分を簡潔に説明すると以下のとおりです。
・エントリーフィーは15ポンド/3枚、30ポンド/10枚、40ポンド/20枚、支払い方法はPaypalのみ。
・提出できる写真は、コンペの開始日から遡って3年以内であること(今回は2018年11月1日以降であること)
・他のコンペで受賞済みの作品も応募可能だが、入選する可能性は低い
・300dpi、最長辺で2000px
・画像形式はJPGファイルのみ。RAWの審査は無い。
・色空間はAdobeRGBであること
・審査は匿名で行われる
国際フォトコンペの中ではエントリーフィーは比較的安い方でしょう。
また、RAWファイルでの審査が無いので、ある程度現像でやり過ぎても問題なさそうな感じはします。
→ただし、このコンペはPhotoshopの技術を競うものではない旨の記載があります。
カテゴリーは以下の通りです。
1.Wide Angle・・・広角
2.Macro・・・マクロ
3.Wrecks・・・沈船
4.Behaviour・・・生物の行動
5.Portrait・・・ポートレート
6.Black & White・・・モノクロ
7.Compact・・・コンパクトカメラ
8.Up & Coming・・・これまで主要な国際写真コンペティションで優勝したことがなく、有料の出版物に定期的に印刷された作品を持っていない水中写真家のみが参加可能
9.British Waters Wide Angle・・・英国海域で撮影された広角の作品が対象
10.British Waters Macro・・・英国海域で撮影されたマクロの作品が対象
11.British Waters Living Together・・・英国海域で撮影された自然と人間の活動を示す作品(広角とマクロ共に対象)
12.British Waters Compact・・・コンパクトカメラで、かつ英国海域で撮影された作品(広角とマクロ共に対象)
さらに、以下の2つのカテゴリーが追加されました。
・‘Save Our Seas Foundation’ Marine Conservation Photographer of the Year・・・海洋保護をテーマにした単写真のカテゴリー。淡水も対象。
・Underwater Photography Book of the Year・・・2020年1月1日以降に写真集が発行されたものを対象にしたカテゴリー。1冊につき50枚以上の写真が掲載されている必要がある。
勝者は全体の2.5%
このコンテストは、下記の審査を経て勝者が決まります。
Round1
Round2
Quarter Final
Semi-Final
Final
なお、Highly Commendedも含めたWinnerになるには、全体の2.5%に残る必要があります。
今回の応募総数は約4,200枚以上だったそうです。
水中のみで4,200というのは、かなり大きい数字だと思います。
そして、審査期間はわずか数日という短さ。
終盤までは一つ一つの作品を見てもらえる時間はおそらく殆どないと思います。
2度目の挑戦で初入賞、ワイド部門では日本人初の入賞
このコンペは今回が2回目の挑戦でした。
1回目からワイド部門での入賞を狙っていたのですが、過去のワイド部門の入賞作品を見て、
これは入賞できそうな余地が全く無いことを痛感し、乾いた笑いが出た記憶があります。
ここでは未熟な古い作品は出しちゃダメだと思い、今回は2020〜2021年に撮影した作品だけを投入しました。
今回は狙いが上手くいったようです。ワイド部門の入賞としては日本人第一号となりました。
またしても縦構図
今回入賞した作品は、ザトウクジラの母子と、それをエスコートしようと付いてくるオスをまとめてフレームに入れたものです。
オスは家族ではありませんが、まるで一家で泳いでいるかのような構図を狙ったものです。
あと、母クジラがヒレを左右に広げきったところに、太陽の光が当たって鈍く光る様子を現像で表現したつもりです。
彼らは私の真下、水底付近を泳いでいました。人間がフレームインすることもなく撮影できたのは幸運でした。

ちょっと厳しいかなと思ったのは、作品上部、水面付近の泡に太陽の光が反射してちょっと汚いところでしょうか。
これは現像ではどうにも消しきれないし、半端に消すくらいならそのまま残そうと思って放置しました。
これが審査にどう影響したかはわかりませんが。
しかし、先月のNBPAもそうでしたが、またしても縦構図の作品が入賞しました。
つくづく縦構図には縁があるようですね。
ところで、自分のハウジングには45°ビューファインダーが取り付けてあるので、縦構図にするときはビューファインダーも90°回転させなければなりません。
つまり、ビューファインダーを回転させる動作の分だけ、撮影の初動が1秒ほど遅れます。
なのでクジラの動きをよく見て、即座に構図を決定して、撮影の準備をしなければなりません。
そして、遊泳中のクジラが撮影可能な距離にいてくれるのは、たいていわずか数秒です。
ヒントは公式サイトに
UPYの審査プロセスのページには、応募者に対してとても親切な10のヒントが記載されています。
来年度以降挑戦する方は、これをよく読んだ方がよいかと思います。
その上で過去に入賞した作品と自分の作品をよく見比べてみると、自ずと応募する作品が決まってくると思います。
個人でもチームでも
先日、World Shootoutというコンペで3人1組の団体戦で2位になりました。
水中専門のコンペで、個人でもチームでもしっかり成果を残すことができるようになったのは、大きな自信に繋がります。
幸先は良い。楽しんでいこう
2021年は”Ocean Photography Awards”と”Oceangeographic Photo Competition”の水中写真専門のコンペに入賞できました。
このUPYも必ず入賞したいと思っていたコンペだったので、年始から良い成果が出せたと思います。
今後も気負うことなく、競技を楽しんでいきたいものです。
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