3年ぶり2度めの入賞
被写体をアジア圏内に限定した、”Nature’s Best Photography ASIA 2021(NBPA)”のOCEAN部門で入賞しました。
2018年以来、3年ぶり2度めの入賞です。
前回と同じく、HIGHLY HONORED(優秀賞)でした。
結果が出るまで長かった
今回は結果が出るまでかなりの時間を要しました。
当初の予定は11月末には結果が出るはずだったのですが、選考が難航したようで、約1ヶ月遅れとなりました。
以下のような感じで審査が進んだものと思われます。
締め切り:7月20日
一次審査通過通知:9月中旬 20点応募して11点通過。RAWと高解像度ファイル提出。
セミファイナル審査:9月中旬〜11月中旬?
ファイナル審査:11月下旬〜12月?
撮影情報のリクエスト:12月6日(この時点で入賞が確定していたのかも)
入賞通知:12月24日
年々、選考に要する時間が長くなっているようです。
発表の延期が何度も発生すると精神衛生上あまり良くないので、次回からは最終審査から先は一旦忘れてしまったほうがいいかも。
やっぱり縦構図
2018年もそうでしたが、今回も縦構図の作品が入賞しました。
私の場合、縦横の撮影枚数の比率で言えば縦構図の方が入賞率が高い。
そもそも縦構図の場合は意識して構図を変えているので、作品として成立しやすいと思います。
横構図はとりあえずで撮影することが多くなるので失敗も増えます。
しっかり作品になったほうが入賞しやすいのは自明の理というものでしょう。
反省点
クジラが構図内にしっかり収まるように撮影しましたが、かなりギリギリでした。
この状態ではパネル加工時に切れてしまうので、
売り物としての作品という意味では”詰めが甘い”です。
以前、これと同じ作品のパネルを購入してくださったお客様には、左右の余白を”増やして”パネル加工時に尾鰭が切れないようにデータを修正して対応しました。もちろん、お客様にはそれで納得していただけています。
あと、母子クジラの下にオスのクジラが接近しているのですが、これがいらない。
母子だけの方が作品としての完成度は高かったはずです。
しかし、これはどうしようも無いのです。
だったらちゃんとオスを尾鰭まで入れるべきだった。
その判断を数秒以内でやらないといけないのにできなかったのは、個人的には大きな減点です。
一年の締めくくりとしては上々
とはいえ、初めて撮影した被写体で入賞できたのは嬉しかったし、年末のタイミングで入賞したのはいい締めくくりができたというところでしょう。
2021年は、初挑戦のコンテスト3つで入賞を果たすことができ、そのうち1つは1位という成績も収めることができました。
NBPAでは次回はもう一つ上、いやGRAND PRIZEを獲得したいものです。
作品としての評価が高い”だけ”では入賞しない
フォトコンテスト後、ツイッターなどでたま〜に見かけるのが、
「審査員は見る目がない」
といった類のコメント。
数あるコンテストに何回も挑んでは負け続けてきた経験から言わせてもらいますが、
それはたぶん間違っていると思います(個人の感想)
一部では本当に審査員の質が問われるようなひどいコンテストもあります(しかも有料で)。
ですが、“基本的に“審査員はしっかりした見識を持ったプロです。しかも大抵は複数人で審査しているのです。
錯乱状態でも無い限り、作品のチョイスを間違えるわけがありません。
少なくとも、我々がケチをつけられるようなレベルの人たちではないです。
それに、コンテストでは入賞作品のバランスも考慮しています。
例えば、評価順で上位10作品がすべてクジラだったら、それを全部入賞にするでしょうか?
単純に評価順に入賞させたら、コンテストのウェブサイトには、クジラの写真が10枚掲載されることになります。
それを他人が見たら、どう思うでしょうか。
「なにこれ全部クジラじゃん」
クジラ写真コンテストで無い限り、こうなるに決まっています。
自然写真コンテストを標榜していてそれでは、運営側のセンスが疑われてしまいます。
運営側もギャラリーを作っているので、当然被写体のバランスを考えるわけです。
トップ10がすべてクジラだったとしても、その中で入賞作品として選ばれるのはせいぜい上位1、2枚といったところではないでしょうか?
つまり、何が言いたいのかというと、
作品自体のレベルが高い”だけ”では入賞しないということです。
なので我々は、応募の際にそのあたりも考慮する必要があります。
顔も知らない世界の写真家たちがどんな作品をどれだけ出してくるか全く読めない中、過去の入賞作品の傾向から「次は○○で入賞できるかも」という予測を立てながら、自分の作品をチョイスしていかないと、まず勝てないのかなと思います。
もっとも、世界中の写真家たちも全く同じこと、いやそれ以上のことを考えているかもしれませんが。
我々はある種の駆け引きを要求されているのだと思います。
作品自体のレベルは高いのに入賞できないのは、おそらくそういったところの分析・・・要は思考が不足しているように思えます。
自分の作品の出来が良くてもあまり陶酔せず、俯瞰で自己評価する癖はつけておいたほうがいいような気がします。
写真のレベルは最高レベル(そのコンテストの最終審査に残るレベル)にするのは大前提で、
かつ競合しても圧倒的な存在感をアピールできて初めて入賞できるのだと、私は思います。
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